2008年1月16日~2末/湯布院の効用 [日記]

1/16は、母の誕生日でした。

その日も「交通事故専門の病院」へ入れるまでの間に入院する事になった足立区の病院へ行きました。

おっくんに「今日はお母さんの誕生日だよ」とスケッチブックに書いて見せると、目が何となく横書きの文字を左から右へ追っているように見えました。

脳挫傷による高次脳機能障害の影響で、不随となった左腕が九の字に曲がってしまっていたので、行く度に伸ばしてあげたり、グーのまま開かない手のひらの指を1本ずつ開くように伸ばしたりしていました。

眠っている間に無意識に右足が蹴るように上がってしまったり、右腕が上がってしまうような状態が続き、体温も相変わらず37度後半から38度ある状態のまま入院生活を送りました。

1/20。前日と変わらない状態のようでしたが、おっくんと握手した状態の握った手を指さして、「力を緩めてごらん」と話しかけたら、それまできつく握っていた手の力を緩めました。

”言葉が分かったのかも!?”と、家族みんなで喜んで、何度か同じ事を試しましたが、同じような反応を見せてくれました。

ただ、集中力や継続力がなく、何度かやっていると反応してくれない事もありました。

1/27。少し前から母が体調があまり良くない、と言っていたのですが、この日とうとう帯状疱疹が出てしまい、心身ともに疲労のピークを迎えている事を改めて認識しました。

このままでは、おっくんの看病疲れで母が参ってしまう・・・。

毎日、家と病院とをリュックを背負って電車に乗り、着替えや都度必要な荷物を持って病院へ通うだけの日々を無理矢理にでも一度ブレイクしようと決めました。

「お母さんの誕生日も何もできなかったし、息抜きしないと続かないよ。2泊ぐらいで少しゆっくりなスケジュールで温泉へ行かない?」

母は躊躇気味でしたが、半ば強制的に宿も勝手に決めて予約しました。

普段、東京から行きやすい近郊の箱根や伊豆、熱海、千葉方面は避けて、わざわざ遠出をするために遠方で探し、母も行った事がなく、前から行ってみたいと話していた湯布院に行く事にしました。

母も湯布院と聞いて、段々気持ちが息抜きしてみよう、という感じになって来たみたいでした。

「湯布院」って、言葉の響きも良い感じがします。

帯状疱疹は、伝染るとの事で、治まるまでの2週間程度は病院へも行けない状態が続きましたが、かえって疲労が溜まった母には休養するために必要な時間だったのだと思っています。

2月中旬頃、申込み中の「交通事故専門病院」から、院長とソーシャルワーカーの方が入院中の足立区の病院へ様子を見に来ました。

「事故による状態が重い事」と「回復の見込みがある事」が入院の優先順位を左右する為、実際の患者の状況や、周囲の家族の状況を確認する事が目的でした。

院長がおっくんに大きな声で呼び掛けたり、開いた目の前で手を右から左へ動かしたりしましたが、おっくんは無反応で、この日は目も何も追わないような状態でした。

 

2/15から2泊3日で湯布院へ湯治に行きました。

母の頭の中から息子であるおっくんの事を考えないように消してしまう事は出来ないまでも、一瞬でもいいから日常から非日常へ気持ちを切り替えて欲しいと思っていました。

その作戦は吉と出たようで、羽田から大分空港へ着く頃には、母もすっかり明るい表情になっていました。

泊まった宿は、湯布院でも珍しい泉質の宿で、「青いお湯」が特徴の湯量豊かな温泉宿でした。

湯上りに化粧水が要らないくらいトロンとした掛け流しの温泉に浸かっているうちに、心身ともにリラックスして、食欲もあって、嬉しそうな母を見て、かなりホッとしたのを覚えています。

移動もせずに同じ宿に2泊滞在したので、ひたすら湯治と美味しい物を食べる、というネジが外れたような開放感で2泊3日を過ごしました。

母は帯状疱疹が治ったばかりでしたが、この湯治が功をなしたのか、東京へ戻ってからは体調も崩さず、すっかり元気になって、また病院へ通う日々へ戻って行く事ができました。

いざという時の神頼みならぬ「温泉頼み」は、かなり効果大です。本当にオススメです。

私も日頃、仕事が忙しかったりすると、とかく休みを取らない日が続きがちですが、ふっ切って敢えて休む事で、より充電された自分に戻る事を頭に置きつつ生活しています。

息抜きってすごく大事だなぁ、と思います。息抜きしよう!と思えるうちに「息抜きプラン」を立てる事がポイントなのではないかと。

今回母を湯治に連れ出した時に、母自身は「息抜き」という発想すら無かったのですが、周りの誰かが気付いたら、肩を叩いてあげる事で二次災害的な疲労困憊から抜け出せるのかも知れないと思います。

余談ですが。

近頃、私の会社でも疲れやストレス、プレッシャーが原因で心の病気を患ってしまう人がとても多くいます。全てではないかも知れませんが、割と真面目で頑張っている人に多く見受けられます。

限界まで行ってしまう前に、一時でも日常から離れて自分を解放する事って大切だけど、なかなか難しいのかも・・・と感じる今日この頃です。

私はそういう意味では「ヤバイ!」と感じたら、すぐ「息抜き」できる何かに自分をシフトしてしまうので、不真面目なのかも。でも、そうしないとバランス取れないような気がしています。

おっくんの看病も長い闘病生活のまだまだ序章。

家族が倒れてなんていられないからこそ上手に息抜きして行きたいと思っています。


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