2010年 11/1 介護タクシー不足に泣く [日記]

いつも気丈な母がこんな愚痴を漏らしました。

「介護タクシーの予約が全然取れないから、通所リハビリに普通のタクシーで通ってるけど、車椅子から乗せたり下ろしたり全部ひとりでやるのはもう限界・・・ヘルパーを頼まなくちゃ無理かも知れない・・・」

心底疲れてしまったと言うのです。

であれば、もちろん退院後すぐからリハビリさせる事は大切だと思うけれど、介護タクシーの予約が取れてから通わせたら?と提案したのですが、それに対する返答に驚きました。

直近の介護福祉タクシーの予約が次月の同一日である12/2の分まで待たなければならず、それすら朝から一斉電話予約しなければ取れないと言うのです。つまり、翌12/3の分を予約するためには、翌日また同じように朝から電話を掛けなければならず、それも競争率の高い中でのダイヤルとなる訳です。

これがこの先当分続くのかと考えるだけで気が重いと母が落ち込んでいたのも頷けます。
需要不足とは言え、タクシーはむしろ不況の煽りで空車が多い今日この頃。なのに、どうしてこのような事態となっているのか?

答えは簡単。介護タクシーを営んでいるタクシー会社が近隣のタクシー会社の中で1社しかないと言うのです。

日々の介護は、まさしく日々のもの。

私のように日中は会社勤めしている場合、どうしても在宅の母に負荷が偏ってしまう為、通所リハビリに通うだけでもかなり体力が要ります。

通うだけでも非常に家族に労力がかかるものです。
高齢化も進む中、日本の福祉の大きな課題を目の当たりにした気がしました。

他県も似たような事情を抱えているのかも知れませんが、都民として石原都知事に強く言いたい。

「都内の高齢化や障害者支援に向けて何の施策を持っているのですか?」と。

以前、移転前に高田馬場と目白の間に会社があった為、ときどき都電に乗って外出する事がありました。

都電を利用しなければ移動手段がないのか、車内は空席があって座ってもすぐにお年寄りが乗って来ては席を譲り、また空席が出来て座っても次の駅で席を譲り・・・の繰り返し。とうとう座るのを諦めたことが多々ありました。

便利と言われる都心ですら、都電の中だけでも、これだけ高齢者が溢れている訳です。

うちは偶然、弟の介護がきっかけで身体の不自由なお年寄りの気持ちや介護者の苦労と同じ苦労を知る事になりましたが、いざ同じ立場に立ってみると、福祉の遅ればかりが目につきます。

バスや地下鉄も同じです。

築地の移転が大切なのも分かりますが、東京オリンピックより、築地の移転よりも急務なことは高齢者・障害者福祉だと思うのです。都知事でなくとも、いまの現状を理解させたら、小学生でもどちらが急務なのか判断できるのではないでしょうか。

頭に来たので、通所のためのヘルパーさんを依頼する前に何か良い案がないか考えてみようと思います。どなたか良い情報をお持ちでしたら、ご教授いただけると助かります!


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レイ

初めてコメント致します。私も夫が2007年12月に前頭葉のほとんどに脳梗塞を起こし、高次脳機能障害を抱えてしまいました。
おっくんより一足早く自宅介護をしております。いつもブログを読ませていただき、原因は違いますが同じ頃に障害を持つことになってしまったことに、主人の回復を重ね合わせて、応援しております。
私も、主人が帰って来た当初、本当に介護タクシーには苦労させられました。例えば、私は都内国分寺に住んでいるのですが、「ハンディキャブ」というのを利用させていただいております。年会費はかかりますが送迎は、普通より安価です。足立区発祥とと聞いているので、都内であれば、同じ様な物が有るかもしれません。リハビリも、家は送迎が有る物と、訪問リハビリに来ていただいております。それぞれの考え方ですが、世田谷区などは有名な高次脳機能障害の為の「フラット」があり、地域で回復をスローガンに。ストレッチャーで最初は通っていた若者も、今は自動車椅子で一人で通えるようになったとか、本になっているくらい成果を上げているので、時間を取るのが難しいかもしれませんが、区や市の障害者福祉課などに相談してみるのも良いかもしれないです。国分寺では障害者センターで言語と通常リハもしていただけ、送迎も有ります。何よりも若くして高次脳機能障害になられた家族、ご本人にいろいろ相談できるので、是非一度ご相談されては?と思います。御母様は多分ギリギリの状態だと思います。少しでも早くうまい策が見つかりますように。
by レイ (2010-11-02 08:47) 

A・ラファエル

私からも送迎のあるリハビリ施設の選択はないのかと言うことが一つ、
提案です。
それから、福祉に関しては、地方行政に負うところが多く、
区役所に相談するのが大切です。
都内でも住んでいる地域でサポートの内容が変わるのです。
民生委員などの地域の相談できる人をみつけることも必要でしょう。
by A・ラファエル (2010-11-02 11:21) 

cana

レイさん

コメント、ありがとうございます。

退院後にすぐに区役所の福祉部障害者支援課の介護福祉士の方に相談しに行きました。
その結果が、今の送迎が受けられない(タクシー会社は三陽タクシー1社のみ)と言う事が判明した次第です。
現在おっくんは、障害者福祉センターへの個人向け通所リハビリ(送迎付き)には登録していますが、ここのサービスは月に1回しかないので、週に2日通っている民間の通所リハビリ施設への送迎は、介護タクシーの利用以外にない状況にあります。
障害者福祉センターでのリハビリは、団体向けというものもあり、週2日あるのですが、見学した結果、ほとんど何らリハビリらしい事を実施してくれない事が分かったので、月1日だけの個人向けリハビリのみを申込み、他の日については民間の充実したリハビリを選択しました。
レイさんのご主人は、介護保険でのリハビリになりますか?
介護保険であれば、送迎は付けられますが、おっくんのように若年で介護保険対象外(障害者福祉)の場合、送迎サービスは受けられないと区役所で言われました。
八方塞がりです。。。
母の疲労もピークですし、日々タクシー予約を朝からしなければならない、というのも精神的なストレスになってしまっています。
「ハンディキャブ」は、週2日のリハビリからの帰りに一度たまたま利用したことがあり、運転手の方に聞いてみたのですが、「ウチはやらないよ」と言われたとの事です。
でも、聞いた相手が悪かったのかも知れません。
ホームページを見てみましたが、詳しい事がよく分からなかったので、早速明日にでも連絡して確認してみようと思います。
貴重な情報、ありがとうございました!

それにしても、受傷者本人の介護以外の周辺の手配等でも本当に骨が折れますね。
行政が実態に追いついていない事が大きいのだと思います。

これからも何かありましたら、どんなに些細な事でも構いませんので、情報提供いただけると助かります。
本当にありがとうございました!
by cana (2010-11-03 22:41) 

cana

A・ラファエルさん

いつも、貴重なコメントありがとうございます。

民生委員!
そうですね、そういう方の存在すら忘れていました。
うちの近所には高齢者は多いものの、障害者はほとんど見かけないので、どの程度の情報があるのか分かりませんが、頼れるところは全て頼ってみたいと思います。
きっと民生委員の方なら、日々いろいろな相談を受けているでしょうから、こちらが想像している以上に情報を持っていらっしゃるかも知れませんし。

ありがとうございました!!
by cana (2010-11-03 22:52) 

レイ

それぞれの市区町村で随分対応が違いますね。主人がまだ入院しているときに、世田谷区の「ふらっと」についての講演を聞きに行ったとき、区によっては、高次脳機能障害の事をよく知らない担当者もいるという話もありました。
家の主人は40代ですので、介護保険と障害者センターに行っている分は、障害者福祉です。介護保険でのリハビリは(デイケアセンター)リハというよりは、お風呂に入れていただいている感じです。
訪問リハに(介護保険で)来ていただいていますが、家の事情に合わせてリハビリをしていただけるので、助かっています。
我が家では、「高次脳機能障害者と家族の会」に加入しています。それぞれに支部があるので、同じ様に若くして障害者になられた家族会に相談してみるのが良いと思います。東京都でも半年間、高次脳機能障害者の自律訓練をしてくれる施設が新宿区戸山にあり、そこで、訓練を受けた話も、この家族会の方から聞いたことがあります。家族会はいろいろな情報を持っていると思いますので、是非一度相談してみて下さい。http://www.kouji-kazokukai.com/
介護は、本当に先が長いので少しでも御母様が楽になれるようにと思います。高次脳機能障害は、みなさん少しずつでも回復していけますよ。と、おっしゃっているので、それを信じて行きましょう。
by レイ (2010-11-04 21:27) 

cana

レイさん

こんばんは。
返信が遅くて、すみません。

弟の場合、30代までの高次脳の患者を対象とした「ハイリハ東京」に加入しています。
活動は、「高次脳機能障害者と家族の会」と同様と聞いて、ハイリハを選びました。
東京都で半年間の自律訓練施設、というのは、都が何か提供しているのでしょうか?
確かに区役所の方からもあまり情報が得られず、唯一の情報源がハイリハ東京です。
でも、そこでもこの話は聞いた事がありませんでした。
東京都に問い合わせれば良いのでしょうか。
by cana (2010-11-06 19:53) 

レイ

canaさま
主人が退院したときに、私は市役所から情報をいただきました。
一つは、東京都心身障害者福祉センターで行なっている肢体不自由者更正施設での「日常生活の力を付けるための支援」という物です。
パンフには・更衣、入浴、排泄などの身の回りの動作・調理、買い物などの家事、等々の訓練をしていただけるようです。6ヶ月間戸山の施設で様々な専門職の方がチームを組んで支援します。と書かれています。理学療法や言語療法もあるようです。区役所からでも申し込めると思いますが、直接の電話番号は03-3203-6141 http://www.normanet.ne.jp/~tshinsho/
です。
土日は、帰って来られるみたいで、高次脳機能障害の会にご夫婦で参加されている方が、今ここで訓練を受けています。とおっしゃっていました。
家の主人は、まだ水頭症など落ち着かない部分がありますので、申し込みはしませんでしたが、もう一人参加された方がいらして、6ヶ月で、お風呂に一人で入れるように訓練をしてもらった。とおっしゃっていました。
もう一つ、これも市役所から情報をいただいたものですが国立職業リハビリテーションセンターで行なっている、身体障害者・高次脳機能障害者のための職業訓練などもあるようです。いずれにせよ、きっと区役所の職員の方で詳しい方がいるかもしれません。
おっくんさんはまだまだ若いですし、出来るだけ一人で出来ることを増やすことも可能だと思います。是非連絡してみてください。
by レイ (2010-11-06 22:11) 

cana

レイさん

こんばんは!
いつもながら、返信が遅くてすみません。。。

東京都の情報をまともにチェックしたのは初めてでしたが、興味深い
情報がたくさん載っていました。
明日にでも早速教えていただいた電話に連絡してみたいと思います。

ありがとうございました!!!
by cana (2010-11-09 22:49) 

レイ

ちょっと、お役に立てて良かったです。
前にブログで、クリスチャンだというお話しを伺ったので・・・。
私もクリスチャンです。病気になって、夫を看護、介護するうちに、なにかおこがましいのですが「十字架の道行」に、重ね合わせる自分がいます。苦しい中にも一緒に十字架を背負ってくれる人が現れたり、布を差し出して下さる方が現れたり、そして最後には栄光を信じています。

これは、私が苦しいときにプロテスタントの(私はカソリックですが)お友達からいただいたプリントです。

「あしあと」

ある夜、わたしは夢を見た。

わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
一つはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。

これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。

「主よ。わたしがあなたに従おうと決心したとき、
あなたは、すべての道で、わたしとともに歩み、
わたしを語り合ってくださると約束されました。
それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
ひとりのあしあとしかなかったのです。
いちばんあなたを必要をしたときに、
あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、わたしにはわかりません。」

主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。わたしは、あなたを愛している。
あなたを決して捨てたりはしない。ましてや、苦しみや試みの時に。
あしあとがひとつだったとき、わたしはあなたを背負って歩いていた。」

お忙しいと思いますので、返信は大丈夫です。
いつも、影ながら応援しております。
また、コメントさせていただきますね。



by レイ (2010-11-10 08:58) 

cana

レイさん

いつもコメント、ありがとうございます。

「あしあと」を読んで、すごく穏やかな気持ちになり、ポロポロと涙が溢れてきました。
でも、「辛い中を慰められた」という感じではなく、頑張って行きたいと思う自分の背中をちょっと力強くパンッ!と叩いてもらったような気がします。

「放蕩息子」ならぬ信仰においてはかなり「放蕩娘」な私ですが、いざという時に自分のため(たぶん弟のためと言いつつ自分自身のため)に祈ることは本当に大切なことだと感じる日々です。

今後ともよろしくお願いします!
by cana (2010-11-12 00:17) 

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